新米茶農家 茶畑奮闘記!その3

最終更新: 2019年8月21日




前回は茶畑に肥料をいれる

春の施肥(せひ)

の作業についてご説明しましたが、今日はいよいよ次の作業。


春整枝(はるせいし)


についてご紹介したいと思います!


3月上旬に肥料を与えられ、元気を取り戻してきたささら屋のお茶の樹たち。


「ここからすくすくと芽を伸ばしていくぞ!」と思っているであろう彼らに対し、僕ら茶農家は容赦なく刃物をおしあて、冬を乗り越えたお茶の葉の上っぺりの部分を刈り落とします。


…そう、刈り落とすんです!


頑張って!冬を越えた葉っぱたちを!!


ばっさばっさと、ばりばりと!!


おぉ、じーざす、もーなんとご無体!!



あわれ、「今日から本気出す!」と思っていたであろうお茶の樹はやる気も気力も葉っぱも削がれて落ちて枯れてしまう…


…わけではありません!!(茶番が長くてすいません)


この春整枝の作業はいわば冬に樹を守るために頑張ってくれた葉っぱにお疲れさまを言い、新芽にすべてのエネルギーを注ぐための世代交代の儀式


この記事を読んでくれているうら若きお姉さま方にわかりやすく言えば、「古い角質層を落とし、うるつや肌を手に入れるための作業」なのです。

この春整枝の作業、実はその年の新茶の品質に大きく影響します。


まず、古い葉っぱを落とすことでお茶の樹の栄養をあますことなく新芽にとどけることができます。


そして、きれいな扇形に茶の樹をととのえることで、土台となる葉っぱにより多く日光が当たり、光合成によって作られるエネルギーの量が増加します。


さらに、ここで綺麗にかたちが整っていると、収穫のときに作業がしやすく、枝や古い葉が新茶にまざりこむことが少なくなるのです。


要はここで頑張っておけば後で良い点取れる、

ってテスト勉強みたいなもんです!(たとえがツラい。。)


因みに、春整枝前と後のお茶の樹の色合いの違いはこんな感じ



写真では若干伝わりづらいかもしれませんが、少し茶色みがかった古い葉が取り除かれ、色鮮やかな緑の葉が顔を出すのです。


これを見ると、「おぉ、今年も春が来るなぁ」などと感慨にふけってしまうものです

(しみじみ)。

あ、誰だ、「新米だからそんな回数かさねてないデショ」ってツッコんだ人!


いいんです、僕ら日本人の遺伝子レベルに組み込まれているんです、この感慨深さは!


と、いうワケで、今回はこの3月末に実施した春整枝についてご説明しました。


次回は、収穫前の害虫・病害の防除作業が始まります…!



▼新米茶農家のざつがく▼


※1:お茶の新芽ってどこから伸びてくるの?


お茶の樹だけではないかもしれませんが、皆さんは新芽がどこから出てくるのか観察したことはありますか?


お茶の新芽は、その多くが葉っぱの付け根から枝分かれするように顔を出します


なので、この春整枝で伸びすぎた葉っぱの部分を刈り落としておかないと、伸びた先の葉っぱの付け根からまた芽が伸びて、樹が大きくふくらんで作業がしづらくなってしまうんですね。


※2:春整枝の実施時期について


狭山の地は『お茶が産業として成り立つ北限の地』といわれ、

静岡や鹿児島といった一大茶産地よりも平均気温が5℃前後も低い土地


そのため、この春整枝の作業開始も少し遅めの3月後半となります。


新芽が出るか出ないかのギリギリの時期(少しフライング気味の新芽が出てくるあたり)を見極めて作業を開始するのですが、毎年具体的に何日から開始するという決まり等はありません。


これも、見極めのノウハウというものですね。




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