皆さん、こんにちは!狭山茶農家 ささら屋です。
先日二番茶について記事でご紹介しましたが、新茶や二番茶の収穫をしていない時期、お茶農家が何をやっているのか気になりませんか?実は、二番茶収穫を終えたこの時期に「整枝」と呼ばれる大切な準備作業をおこなっているのです。
今回は、そんな夏整枝について解説するとともに、実際の作業の様子をお送りします!
二番茶の記事をまだ読んでいない方は、こちらから併せてご覧ください。
茶樹の断面を綺麗に揃える「整枝」
「整枝」とは、茶樹(お茶の木のこと)の表面の余計な枝や葉を取り除き、断面を綺麗に揃える作業のこと。芽のなかには遅く生えてくるものもあり、放っておくと画像のように断面がバラバラになってしまいます。これを整枝によって綺麗にならすのです。
整枝によって断面をならすことで、新たな芽がしっかりと伸びるよう促します。整枝をおこなう際は、目的や意図によって刈り込む深さを変えています。
枝振りを大きく、葉も大きくしっかりしたものにしたければ深刈りを実施。細い枝から伸びる芽数を増やし、収量を確保したい場合には浅刈りをおこなうといった具合です。
整枝は、次に質の良いお茶を摘採するための準備というわけです。
夏に整枝をおこなう目的
ささら屋で今回実施したのは、二番茶の収穫をおこなわなかった茶畑における整枝作業。伸びすぎてしまった枝を深めに刈りながら、全体的に断面を揃えます。
夏に整枝をおこなうことで、茶畑における作業がしやすくなるというのに加え、夏場にしっかりと強い葉が繁るよう促してあげられるのです。
つまり、作業性の向上と茶樹の健やかな生育をもたらし、質の良いお茶をお客様に届けるための作業が「夏整枝」というわけなのです!
夏の整枝作業は暑さとの戦い
では、実際の作業の様子をご紹介していきましょう。ご紹介するのは、山沿いに広がるこちらの茶畑(ささら屋では「前山」と呼んでいます)における整枝作業です。
上の画像は、作業前に撮影した茶畑の様子。芽が思い思いに伸びて、断面がバラバラになっているのがよくわかりますね。これを揃えるのが今回のミッションです。
山沿いにある茶畑では、画像に写っている「可搬式摘採機」と呼ばれる機械を使って、2人がかりで余分な枝や葉を刈っていきます。可搬式摘採機の重さは約10kg…。傾斜になっているなか、1本1本の畝(うね)を行ったり来たりする大変な作業です。
ジメジメとした夏の暑さ、山沿い特有の謎の大きな虫たちと戦いながら、黙々と作業を進めていきます。
今回、芽が伸びすぎた部分などは2回深めに刈り込み、夏の間にしっかり太い枝と大きな葉が繁ることを期待して作業をおこないました。上の画像で左側の畝と比べれば一目瞭然!余計な葉が下に落ちて断面が揃っていますよね。
こんなに綺麗になりました!
4時間かけた作業後の茶畑の様子はというと…
見てください!この美しくカマボコ状に揃った茶畑を!
寄りで見るとこんな感じ。好き好きに伸びきっていた余分な芽や枝が刈り取られ、断面が滑らかになっています。こうすることで農作業がしやすくなるだけでなく、夏の日差しをたっぷり浴びて強くてしっかりとした葉が育つのです。
まとめ
お茶農家に限らず、農家=収穫のイメージが強いかもしれません。しかし、収穫というのは農家がそれまでおこなってきた作業や工夫、汗と努力の結晶です。収穫期以外の地道で丁寧な作業があるからこそ、皆さんにおいしいお茶を届けることができるのです!
すべては、自信を持って良いお茶を届けるための準備。整枝によって綺麗に整えられた茶畑で、暑い夏も作業を頑張ってまいります!作業の様子は逐次お届けしていきますのでお楽しみに!
ささら屋がお送りする自慢のお茶は、こちらからお買い求めいただけます。
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