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新茶とは?狭山茶における時期から謂れ・縁起まで新茶のあれこれをご紹介

埼玉県入間市の狭山茶農家ささら屋で撮影した茶の新芽
きれいな黄緑の新芽|ささら屋の茶畑にて

5月も後半に入り、いよいよ狭山茶の新茶が姿を見せる季節となりました。


「お茶といえば新茶」というイメージはあっても、どんなお茶のことを指すのか、どういった特徴のあるお茶なのかなど、具体的にご存じの方は少ないのではないでしょうか。


今回は、新茶の採れる時期、新茶ならではの魅力や成分の特徴などについて解説するとともに、お茶農家がおすすめする新茶の美味しい淹れ方もご紹介します!


新茶とはその年の初物のこと


新茶とは、そのシーズンの最初に摘み採った若い芽で作られる、お茶の「初物」のこと。

あとで紹介するように、地域によって採れる時期は異なるものの、おおむね4月下旬から5月中旬にかけて摘採(収穫)されます。


お茶は、ワンシーズンに2〜4回程度摘採するのが一般的で、摘採される順番に応じて「◯番茶」と呼ぶのが通例です。

このうちの一番茶のことを「新茶」と呼びます。

なお、続く二番茶は、通常6月下旬にかけて摘採されます。






地域によって違う新茶の時期|狭山茶の場合は?


新茶の時期は産地によって異なります。

温暖な地域ほど早く、寒冷になるほどシーズンが遅くなる傾向です。


例えば、温暖な鹿児島では、3月下旬から摘採が始まる地域も。

こうした早い時期に摘まれる初物は「走り新茶」と呼ばれることもあります。

日本一の産地・静岡は、おおむね4月中旬からが新茶のシーズンです。


一方、狭山茶の産地である埼玉県狭山地方は、主要産地の中でも寒冷な地域。

そのため、ゴールデンウィーク頃からが本格的な新茶シーズンとなります。

2025年も「八十八夜(2025年は5月1日)」あたりからスタートし、5月中下旬にかけてシーズンを迎えるのです。


新茶の魅力や成分のこと


茶畑の上のカゴに置かれた新茶の芽

新茶の魅力といえば、何といっても味わいと香りの良さ!

含んだ瞬間、深い旨味と甘みのある味わいが口いっぱいに広がり、新芽ならではのすがすがしい青葉の香りが心まで満たしてくれるでしょう。


チャノキは冬の休眠期を越え、春先にかけてたっぷりと栄養を蓄えます。

その中で、お茶の代表的な旨味成分である「テアニン」も多く作られます。

根で生成されたテアニンは、やがて葉へと運ばれ、日光を受けると苦味・渋みの成分であるカテキンへと変化するのです。


新茶は、冬の休眠期を越えた春先から初夏にかけて摘採されるため、テアニンがカテキンに変化することなく、葉の中に多く残っているのがポイント。

実際、新茶の茶葉に含まれるテアニンの量は、三番茶の約4倍という研究結果もあるほどです!


このため、夏場の日光をたっぷり浴びてから摘採される二番茶・三番茶に比べ、新茶は旨味や甘みをたっぷりと味わえます。


こうしたことから、新茶は高品質とされています。

実際、新茶の取引時の平均単価(2023年)は二番茶の約2.4倍、秋冬番茶の約6.1倍にもなり、茶農家の収入の柱にもなっているのです。


(出典)高柳博次・阿南豊正・池ケ谷賢次郎・中川致之「茶芽の熟度と成分変動」, 茶業研究報告第61号, 1984年9月, 20ページ


「新茶は縁起物」って本当?


手のひらに山盛りになった新茶の芽

新茶の中でも、とりわけ「八十八夜」(立春から数えて88日目)に採れたものは、古くから「不老長寿」の縁起物とされてきました。


これは「八十八」が、末広がりの八を2つ重ねて含んでいることが理由のひとつとされます。

八の字のように、末広がりで長きにわたって繁栄するという意味合いでとらえられてきたのです。


しかも「茶」という字にも、よく見ると「八十八」が含まれていますよね!

この2点から、八十八夜摘みの新茶は縁起物として重宝されてきたというわけです。


そもそも日本では「初物を食べると寿命が75日延びる」といわれ、その年の初物を大切にする習慣が広く根付いていました。

新茶も、ありがたい初物として大切にされてきた面もあるのでしょう。



ちなみに、ささら屋でも八十八夜に摘んだ縁起物の新茶をお届けしています!

不老長寿を願って、今シーズンの初物を楽しみませんか?






お茶農家おすすめ!狭山茶の新茶の美味しい淹れ方


白い急須で新茶を注いでいる様子

狭山茶の新茶の深い味わいを存分に楽しみたい方へ。

お茶農家がおすすめする、新茶の美味しい淹れ方をご紹介します!


■おすすめの淹れ方(2人分)

  1. 急須に、新茶の茶葉を約5g入れる

  2. 沸騰させたお湯を70℃くらいになるまで冷ます

  3. 茶葉を入れた急須に、冷ましたお湯を250〜300ml注ぎ、1分くらい待つ

  4. 湯呑みに少しずつ回し注ぐ

  5. 最後の1滴まで残さず注ぎきる


2煎目以降は、80℃〜100℃の熱湯を注いで15秒くらい待てば、美味しく楽しめます。


これで狭山茶の新茶の良さをたっぷり楽しめますが、淹れ方に「正解」はありません!

ぜひ、皆さんの好みに合わせて、自分なりの新茶の美味しい淹れ方を見つけてみてくださいね。


ささら屋の新茶2025!今年も美味しく仕上がっています


待ちに待った新茶のシーズンが到来しました。

新茶ならではの深い味わいとフレッシュな香りを楽しみながら、夏のはじまりを感じてみてはいかがですか?


狭山茶農家ささら屋でも、2025年の新茶予約販売を実施中です!

自分で飲むのはもちろん、ご両親やお世話になった方々へのギフトとしても喜ばれるはず♪


私たちの自信作が、一人でも多くの皆さんに届くことを心待ちにしています。






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